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たまにこういうの書きたくなるんだ、気にしないでくれ(´・ω・`)  

世界樹2の、自ギルド「ジャンク・ロッド」の面子のお話。

明るい話でもなく、色々ぶった切れたりするのがデフォルトになってますが、興味があるなら追記からどうぞどうぞ。
今回の主人公はカースメーカーのフォーネ。彼女がハイ・ラガード公国に来るまでの出来事ですよ。






















少女は生き残りだった。

原因不明の疫病が猛威を振るった、小さな小さな町のたった一人の生き残りだった。


ある日、床に伏しまるで果物が腐りこそげ落ちたような、やつれたなんて言葉が生易しく感じてしまうほどにやつれた母から、力なく手渡された袋につめこまれたお金を持って、少女は死に絶えそうな町から飛び出した。


東にある隣の街に行けば、薬が売ってもらえるかもしれない、どうかそれを買ってきておくれ。


そんな母の言葉を信じて。

それが、今はまだ病に冒されていない少女を救うための悲しい嘘だと知らずに、少女は信じて。

そうして、わずかな量の薬を手に入れて戻った少女の眼前には。





疫病の感染防止、という名目で焼き払われた、住んでいた町の姿があった。
母は、知っていたのだ。
その日、この小さな町が、世界から焼かれ、切り捨てられようとしていたことを。




こうして、少女はただ一人の生き残りに、なった。






それからのことは、少しばかり空白だった。


気がついたら、奴隷として市に出され、奴隷として商人に買われていた。

 ―――こんな薄気味悪いガキなんか買ってどうすんだ

呆れたような声がする。

 ―――ヘッ、おめぇ知らねえのか、商人のクセに

少女を買った商人の声がする。

 ―――こっから北の国で、世界樹の迷宮が見つかったんだ

 ―――エトリアと同じような奴がか? それがこれとどう繋がるってんだ

 ―――簡単な話よ、そこもきっとエトリアと同じように世界樹特需って奴がくるだろ、卑しい冒険者どもが次々迷宮に食らい付いてくるだろうさ、そんな中にゃぁ面子が足りなくてお困りの連中もきっと出てくる

 ―――あぁ……そいつらに、このぼろ雑巾を売りつけるって寸法かい? だがそんなことうまくいくとは思えねぇぞ、ただの不気味なガキにしか見えないぜ

 ―――ところがそうでもねぇんだ、ほら見てみろそいつの胸んとこにぶら下がってる小汚ぇのを

視線が向けられるのを感じた少女は、けれどそれに何の反応も示さない。
―――ただ、僅かに、首にかかる皮紐を握り締めた。

少女にとって、それはかつて幸せだった家族の、たったひとつの思い出だった。

十歳の誕生日、両親からお守りだと言われて貰ったそれ―――金色の大きな鐘には、少女の名前が不思議な文字で彫られていた。
……そんな少女のためだけのお守りが何だと言うのだろう。
ぎゅぅ、と皮紐を強く握りこむと、鐘がつられてコロン、と鳴った。

 ―――おっと、耳を塞げよ相棒、……この音を長く聞いたら呪われちまう

 ―――呪われ……てぇことはなんだ、このガキ       だってぇのか

 ―――さぁてなぁ、そんなこたぁ俺が知るわけねえよ、どっかで拾ったモンかも知れねぇし、本物の       かも知れねぇ、どっちにしたって見た目がこんな不気味で鐘を持ってりゃ、腕っこきの本物に見えるのは確かだろうぜ、欲しい奴らはごまんといるさ






それは、目的地を目前とした、森の中だった。

錆びた鉄の臭いに吐きそうになる。
それをこらえて少女は逃げようと試みたけれど、目の前に広がる血みどろの光景に体が竦んでいう事をきいてくれない。
商人だったその塊から噴出していた赤い水が、牙から滴り落ちて地面を濡らす。死体を貪った後なのか、少しだけ動きが鈍いようにも見えたがそんなものは何ら気休めにもならなかった。

食われる、殺される

ただただそれだけが脳裏を掠めて、少女はひゅーひゅーと細い息を吐くことしか出来ずにいた。

じゃり、と地面が鳴る。大きな獣が歩みを進め、少女の眼前に立ちはだかる。血なまぐさくなった呼気が届いて、否応なしに死を意識させられて、無意識に唇が動いた。



「こないで……こないで……」



震える少女の手が縋りつくように、胸元の鐘の根元を掴む。

カラ……コロ……コロ……ン

微かな鐘の音がした。


「こないで……こないで!!!」


カララン、コロン



――― ガ ラ ン   ゴ ロ ン



まるで奇跡のようだった。

何が起きたのかはわからない。
だけどもびくりとも動かなくなった獣の横を、我武者羅に少女は走りぬける。
裸足の足が商人の血に濡れても、体が森の枝に掠られて傷つこうとも、痛みを感じることなど忘れてしまったかのように走って、走って。
森を抜けた先に、大きな門が聳えているのを見とめてそこを目指してひたすらに走った。

けれど、少女の体と心は既に限界だった。
町をぐるりと囲う壁にもたれたかと思うと、そのままズルリと体が崩れ落ちていく。
必死に保っていた意識が遠ざかりゆくのを感じながら、少女は目を閉じた。


闇に落ちるその直前に、知らぬ人の声がした。










知らぬ声=既に世界樹の探索を始めてしばらく経ったジャンク・ロッドの面子。
基本お気楽極楽なジャンク・ロッドのメンバーの中で、唯一暗い過去なのがフォーネでござるのまき。

category: ショートショート

tag: 世界樹の迷宮2  コンシューマ 
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